足の痛み
足の痛み
足は「第二の心臓」とも呼ばれ、全身を支えて地面からの衝撃を吸収する極めて重要な役割を持っています。足や足首に痛みがあると、歩くこと自体が苦痛になり、外出を控えるようになるなど生活の質が大きく低下してしまいます。「スポーツ中にひねった」「朝の一歩目が痛む」「土踏まずがなくなってきた」など、原因は多岐にわたります。当院では、足の構造に精通した専門医が的確に診断し、歩く喜びを取り戻すための治療を行います。

関節を支えている靭帯が、許容範囲を超えて引き伸ばされたり、一部または全部が切れたりしている状態です。最も多いのは足首を内側にひねって外側の靭帯(前距腓靭帯など)を痛めるケースです。放置すると靭帯が緩んだまま固まり、「捻挫を繰り返す足」になってしまうため注意が必要です。
スポーツ中の着地失敗や急な方向転換、段差でのつまずき、高いヒールの靴での歩行などが主な原因です。足首の柔軟性不足や、過去の捻挫の不適切な処置も再発の要因となります。
レントゲン検査で骨折がないかを確認します。靭帯の損傷具合や出血の様子を詳しく診るためには、超音波(エコー)検査が非常に有効です。関節の緩みが強い場合は、ストレスレントゲン検査を行うこともあります。
受傷直後は「RICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)」が基本です。サポーターやギプスで一定期間固定し、靭帯の修復を待ちます。その後、リハビリで足首の可動域を戻し、バランス能力を鍛える訓練を行うことで再発を防ぎます。

ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつなぐ、体内で最も太い腱である「アキレス腱」が完全に切れてしまった状態です。腱が切れると、筋肉の力を足に伝えることができなくなるため、地面を蹴り出す動作ができなくなります。
30代〜50代の「週末スポーツ愛好家」に多く見られます。テニスやバドミントン、バレーボールなど、急激な踏み込みやジャンプを伴う動作で、加齢により脆くなった腱に強い負荷がかかることが原因です。
うつ伏せでふくらはぎを掴んだ時に足首が動くかどうかを確認する「トンプソンテスト」で多くは診断がつきます。エコー検査やMRI検査を行い、断裂した腱の隙間の広さや位置を正確に確認します。
手術をせずに装具で固定して治す「保存療法」と、切れた腱を直接縫い合わせる「手術療法」があります。患者様の年齢や活動レベル、スポーツ復帰の希望に合わせて選択します。どちらの場合も、長期間の専門的なリハビリテーションが不可欠です。

足の裏にあるアーチ(土踏まず)が崩れ、低くなってしまった状態です。アーチは歩行時の衝撃を吸収するクッションの役割を果たしているため、これが崩れると足全体、さらには膝や腰にまで負担が直接伝わるようになります。
子供の扁平足は成長過程で見られますが、成人の場合は、長年の負荷や運動不足、加齢による「後脛骨筋腱(こうけいこつきんけん)」の衰えが主な原因です。また、肥満による体重増加もアーチを潰す要因となります。
立った状態で足を観察し、アーチの高さや骨の並びをチェックします。レントゲン検査で骨の角度を測定し、変形の程度を詳しく調べます。
最も効果的なのは、オーダーメイドの靴中敷き(インソール)を作成することです。インソールで強制的にアーチを持ち上げることで、足の負担を劇的に減らすことができます。あわせて、足の指や足裏の筋肉を鍛えるリハビリ(タオルギャザーなど)を指導します。

足の裏に張っている膜のような組織「足底腱膜」の付け根(かかとの骨付近)に、微細な損傷や炎症が起きている状態です。歩行時の衝撃が繰り返しかかることで、腱膜が硬くなり、炎症を引き起こします。
ランニングやジャンプを繰り返すスポーツ、長時間の立ち仕事、急激な体重増加、硬い靴の使用などが原因となります。また、ふくらはぎの筋肉が硬いことも、足裏への負担を強める要因です。
触診で痛みの場所を確認します。エコー検査では、足底腱膜が厚くなっている様子や炎症の状態を確認できます。レントゲンでかかとの骨に「骨棘(こつきょく)」というトゲができているのが見つかることもあります。
まずはインソールを使用して、かかとへの衝撃を分散させます。リハビリでは足底腱膜やふくらはぎのストレッチを重点的に行います。難治性の場合は、「体外衝撃波治療」という最新の治療法が非常に有効です。

足首を曲げる動作を繰り返すことで、足首の関節の骨同士が衝突し、その刺激で骨がトゲのように増殖(外骨腫)してしまう状態です。この「骨のトゲ」が関節に挟まることで痛みが生じます。
サッカー選手に非常に多いためこの名がつきましたが、ラグビーやダンス、あるいは過去に捻挫を繰り返した方にも見られます。足首を強制的に曲げる動作が繰り返されることが原因です。
レントゲン検査で足首の前側に骨のトゲ(骨棘)ができているかを確認します。より詳しく骨の形や位置を把握するために、CT検査を行うこともあります。
軽症であれば、リハビリで足首周りの柔軟性を高め、テーピングなどで可動域を制限して痛みを防ぎます。しかし、骨のトゲが大きく、挟まり込みによる痛みが強い場合は、内視鏡(足関節鏡)でトゲを削り取る手術を行うこともあります。

すねの骨(脛骨)を覆っている「骨膜」が、筋肉に引っ張られ続けて炎症を起こしている状態です。スポーツを始めたばかりの人や、練習量が急激に増えた人に多く見られる「初心者病」とも呼ばれる過労性障害です。
オーバーユース(使いすぎ)が最大の原因です。硬い地面での練習、クッション性の悪いシューズ、扁平足などの足の形、ふくらはぎの筋肉の硬さなどが重なって発症します。
問診で運動量や痛みの経過を伺い、触診で痛みの範囲を確認します。レントゲンでは異常が出にくいですが、疲労骨折との鑑別のために、必要に応じてMRI検査や超音波検査を行います。
まずは運動量を減らす、または休止することが不可欠です。リハビリでは硬くなった下肢の筋肉を徹底的にストレッチし、インソールで足のアーチをサポートします。痛みが引いたあとも、練習メニューの見直しやフォームの改善を行い、再発を防ぎます。

血液中の尿酸値が高くなり、関節の中に「尿酸塩」という結晶が溜まることで、激しい炎症が起きる病気です。白血球がこの結晶を攻撃するため、火がついたような痛みと腫れが生じます。足の親指の付け根に最も多く発症します。
高尿酸血症が原因です。プリン体を多く含む食事(レバー、魚介類など)やアルコールの摂りすぎ、肥満、激しい運動、水分不足などが重なると、尿酸値が急上昇し、発作を引き起こします。
血液検査で尿酸値の測定を行います。また、エコー検査で関節の中に結晶が溜まっている様子(ダブルコンツアーサイン)を確認することもあります。他の感染症(化膿性関節炎)ではないかを見分けることも重要です。
発作が起きている時は、まず消炎鎮痛剤で炎症を速やかに抑えます。痛みが落ち着いた後に、尿酸値を下げる薬の内服を開始し、長期的なコントロールを行います。あわせて、食事療法や水分摂取、適度な運動といった生活習慣の改善が不可欠です。
足の不調は、かばって歩くことで膝や腰、股関節など全身に影響を及ぼし、さらなる不調を招く恐れがあります。「よくある疲れ」「いつもの捻挫」と我慢せず、まずは整形外科専門医にご相談ください。最新の知見に基づいたリハビリと治療で、皆様の健やかな毎日をサポートいたします。
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