手首の骨折
- 2023年1月18日
- 手首の骨折
皆さんこんにちは。
今回は手首の骨折です。
この骨折はケガの仕方や年齢などによって折れやすい場所や治療方針が違います。
何を注意したらいいのか、どこを大事に診ているのかを中心に説明したいと思います。
~症状~
まず、手首の骨折は高齢者が転倒した時や若い人がバイクで転倒した時などの交通事故、スポーツ中に転倒した時などで手をついて倒れたときに起こります。
指に力が入りづらくなり、握る動作ができなくなります。骨折部は不安定になりますので反対の手で支える必要がでてきます。
手先がしびれたり、親指を伸ばす腱が切れたりすることがあります。
~折れ方と年齢~
手をついてこけたときに折れやすい骨は年齢によって違います。
手首には橈骨と尺骨とゆう骨があり親指側にある骨が橈骨です。手首の機能には橈骨のほうが深くかかわっているので橈骨骨折を中心に話することが多いです。
中年以降で骨がもろくなっているとこの橈骨で骨折が起きます。
若いと橈骨の上にある舟状骨とゆう小さな骨が骨折します。
成長期の子供の場合は橈骨の成長線の所で骨折することが多いです。
このように年齢によって骨折の疑わしい場所が違います。
また、手の付き方によっても変わってきます。手のひらをついた場合と手の甲をついた場合では折れる方向が異なります。この折れ方によって手術をしたほうがいいのかギプスで治療できるのかも変わってきます。
~診断方法~
レントゲンで折れ方を確認します。手術が必要な場合は方針決定のためにCTの検査を追加で行います。レントゲンで骨折が分かりにくい場合はMRIを取ることがあります。
MRIでは折れているかどうか、筋肉やほかの損傷がないかがよくわかりますが、骨の折れ方は分かりずらいです。CTでは骨の形がよくわかりますので、どのような折れ方をしているか見るときはCTを取ります。
~治療~
まず予防方法としては転んでもおれない骨を作ることが重要です。
骨粗鬆症がないか骨密度や採血で定期的に検査し、必要な骨粗鬆症に対する治療を行っておくことが大切です。
また、転倒しないようにバランス感覚や足腰の筋力を保っておくことが必要です。
もし、転倒し方が腫れた場合は自分で判断するのではなく必ず整形外科で診断してもらいましょう。特に舟状骨骨折の場合は腫れが少なく、捻挫と思っていたら骨折だったことがあり、この骨折はしっかり固定しないと骨がうまくつかないことがあります。
ずれの少ない骨折ではギプスなどで固定し、必要なタイミングで動かすためのリハビリを開始します。このリハビリのタイミングが重要で遅れてしまうと最終的な動きに影響を及ぼすことがあります。
手術が必要な場合は骨の外側からプレートで固定したり、ねじやピンで固定します。
どのような手術でもそのあとのリハビリのよって最終的な動きがどこまでできるようになるか変わってきます。
当院では手術しない場合はもちろん、手術した場合のリハビリも対応しています。
リハビリでの治療は少しずつ根気強く行っていくことで確実に改善していきます。
わからないことはなんでもお答えしますので、困ったことがあれば当院にお越しください。
それではまた来週。