腰痛
- 2022年12月7日
- 腰痛
今回は腰痛のお話です。
腰痛といっても様々な原因があります。重いものなどを持った時に起こるぎっくり腰や交通事故、尻もちで起こる腰痛、きっかけもないのに起こる腰痛などがあります。
怖い腰痛はきっかけがなく起こる腰痛で、腎結石や大動脈解離、癌の転移など整形外科だけでは解決しない病気が隠れていることがあります。
このような怖い腰痛は今後に書こうと思いますが、今回はいわゆるぎっくり腰とは何なのかを書いてみたいと思います。
~原因~
腰痛の原因には筋肉・椎間関節・椎間板・骨の4つがあります。
背骨は腰椎と呼ばれる骨が連なっています。この腰椎の連なりは前のほうは椎間板・後ろのほうは椎間関節でつながっています。また、腰椎は腸腰筋とゆう筋肉で支えられており、一般的にはインナーマッスルと呼ばれる筋肉の一部です。
これらの4つの部位が損傷すると腰痛が起こります。
具体的には筋肉がちぎれたり、椎間板に亀裂が入ったり、椎間関節で炎症が起こったり、骨がつぶれたりすることで腰痛が起こります。
痛みを避けようとしていると今度は体幹の筋力が低下し、ほかの場所に負担がかかるようになり腰痛がいつまでも治らない状態になってしまいます。
最初は椎間板由来の痛みだけだったのが、腰の動きが悪くなったため関節に負担がかかり、椎間関節由来の痛みも出現したりして痛みの原因が複合的になると慢性化しやすくなります。
~症状~
4つの原因にはそれぞれ痛みが出る特徴的な姿勢があります。
椎間板が原因の場合は顔を洗うなどの腰を曲げたときに痛みが出ます。
椎間関節が原因の場合は腰を伸ばしたり、動き始めに痛みが出ます。
筋肉が原因の場合は車の中などの長時間座っているときに痛みが出ます。
骨が原因の場合はベッドから起き上がるときに痛みが出ます。
安静にしていても痛むときや寝ているときも痛いときは怖い腰痛を考える必要があります。
椎間板が原因の場合は背骨にある脊髄・神経を圧迫することで下肢の痛みやしびれを伴うことがあります。
~診断方法~
きっかけやどのような時に痛みが出るか、腰をたたいた時に痛みが出るかなどを聞き取り大まかに疑わしい原因を考えます。
怖い腰痛が考えられるときはレントゲンに加えて採血や尿検査、MRIをとります。
怖い腰痛の可能性が薄い場合はレントゲンで椎間板の幅や椎間関節の変形がないか、腰椎の並びがずれたり、つらなりの形に異常がないかチェックします。
また、大動脈の石灰化や骨が透けているような場合は骨密度をとり、骨粗鬆症がないか調べる必要があります。
診断で最も大切にしていることは怖い腰痛を見逃さないことです。
背骨にばい菌がついてしまう化膿性脊椎炎や癌の転移は早期に発見し、治療を開始する必要があります。少しでも疑わしい場合は採血・MRIをとり、しっかりと調べるように心がけています。
~治療~
痛みがでてどのくらい経過しているかによって治療の考え方が変わります。
痛みが出てすぐの場合は腰を安静にして、損傷部位の修復を促すことが大切です。
安静とはコルセットをつけて、痛い動作をしないことです。そして、鎮痛薬やブロック注射などで痛みをコントロールします。
痛みが出て1~2週間ほど経過している場合は可能な範囲でリハビリテーションを開始します。リハビリの目的は腰の筋力を維持することと、固くなっている筋肉をストレッチすること、筋肉を温めて動かしやすくすることの3つです。
筋肉を温める方法は古くからはお灸や針治療などがありました。このような民間療法をより効率的に、皮膚の奥にある筋肉まで温める方法が低周波治療器です。最近の低周波治療器は皮膚の表面だけではなく筋肉を温めるために改良されており、有効です。
しかしながら、
筋力の維持とストレッチのためには理学療法士による施術が必要になります。
どの筋肉が硬くなっているのか、どの筋力が低下しているのか、どの動きが制限されているのかを細かく評価し、必要な施術を行っていきます。
また、日常生活での姿勢を指導したり、自宅でできるトレーニングを指導しちゃんとできているかチェックします。
マッサージではないのでその場だけの痛みを取るのではなく、痛みの根本的な部分を治療していきます。
今までの経験上から怖い腰痛の患者さんを診察する機会がありました。
大動脈解離があり緊急手術が必要になった方や病院にかかったこともないような人から癌の転移が見つかった方、腰にばい菌がいて足の麻痺が残ってしまった方、梅毒や結核が原因だった方。
これらの患者さんは少しでも診断が遅れるとその後の結果に大きく影響してしまいます。
腰痛に関わる医療者はこの怖い病気ではないことをまず、確認する必要があります。
そのうえで根本的な原因から考えて、腰痛治療にあたることが重要と考えています。
最後に少し怖がらせてしまうような話になってしまいました。
しっかりと原因をつきとめ、最善の治療法、日常生活のアドバイスができるようにこれからも診察していきます。
それではまた来週。