外反母趾
- 2022年7月27日
- 外反母趾
皆さんこんにちは。
今回は外反母趾についてのお話です。
外反母趾は一般的にも聞き馴染みがあるかと思います。
見た目でもある程度分かりますし、悩んでいる人も多いのではないかと思います。
それではなぜ外反母趾になるのか?どうすればいいのか?解説していきます。
~どうなるの~
特徴的な症状は足の親指の先が人差し指のほうにくの字に曲がり、親指の付け根が飛び出して痛みます。
その飛び出したところが靴にあたって炎症を起こすと、靴を履いていないときでも痛みを感じるようになります。足の裏にタコや魚の目ができたり、飛び出したところが赤くなったりします。
靴の歴史が長い欧米人に多い病気でしたが、最近では日本人もかなり増えてきています。
~何でなるの?~
足には縦方向と横方向にアーチを描く形になっています。
外反母趾ではアーチが崩れて偏平足になると中ほどにある親指の関節が内側に向いてしまい、さらに先の細い靴の影響で外反母趾の形に変形します。
外反母趾の一番の原因はつま先が狭くなった靴を履くことで親指の付け根から先が圧迫されて変形します。変形によりアーチがなくなり、さらに外反母趾が進行します。
ヒールの高い靴は付け根にかかる力が増えてさらに変形を強くします。特に親指が人差し指より長かったり、生まれつき偏平足気味であったりすると10歳代から外反母趾の変形が起こりやすくなる特徴があります。
40~60歳に多いものは履物に加えて、体重増加や筋力低下によって足のアーチがなくなり、変形につながります。
~どんな検査をするの?~
見た目から明らかな変形をしていることが多いのであまり診断に悩むことはないですが、注意してみている点は足の裏にタコや魚の目がないか、親指と人差し指の間に皮膚炎や水虫はないかを見ています。
X線検査では体重のかかる状態で撮影することで、より実際の変形した状態で評価できます。また、普段履いている靴や仕事などでの靴、歩き方を観察することで必要な治療方法を考えています。
~どうしたらいいの?~
一番大切なことは変形を進行させないように予防することです。この予防が痛みの改善にもつながり、困らない日常生活を取り戻すことができます。
- 親指の付け根はフィットして先はゆったりした靴を選びます。スリッパなどを使用するときも足が靴の中で動くと炎症の原因になりますので、かかとに支えがあるものがよいです。
- 足の指を開く運動やタオルを床に置いて指の力で引き寄せてくる運動をします。指と足裏の筋肉を鍛えることで変形の進行を抑制できます。
- 親指と人差し指の間に装具をつけてぶつからないようにします。外反母趾装具は様々ありますが、装具により傷ができないように大きさや強制力は自分に合ったものを選ぶことが大切です。
変形が進むと靴を履いていなくても痛みが出たり、魚の目が治らないようになったりします。指の筋力も変形を助長するようになることがあり、体操や装具でも戻らなくなると手術を考慮します。
外反母趾の手術は100種類以上ありますが、もっとも一般的なものは骨を切って強制する方法です。変形の進行度によって骨の一部を除去したり、人差し指や中指の骨にも手を加える場合もあります。
手術は下半身麻酔で1時間程度で終わることが多いです。
手術した後もリハビリで筋力を取り戻し、痛みなく歩けるようになるには3か月ほどを要します。
外反母趾はほっとくと徐々に進行してしまい、歩くことが嫌になると体重増加や引きこもりとなることでさらに変形が進んでしまいます。
体操や装具を続けていくことは根気がいることであり、痛みがなくなったらやめてしまう方もおられますが、変形を進行させないことが非常に大切なので続けられるようにサポートできればと考えています。
当院では足専門の装具士と協力し、それぞれにあった装具や治療方法を提案しますので、変形が軽度のうちから相談して頂ければと思います。
それではまた来週。