変形性股関節症
- 2022年7月6日
- 変形性股関節症
皆さんこんにちは。だいぶ暑くなってきましたね。
今回は変形性股関節症についてのお話です。
股関節が変形してしまう病気ですね。
それでは皆さんの疑問が少しでも解決するようにどのような病気なのか解説していきますね。
~どうなるの?~
主な症状は歩行時の足の付け根の痛みです。変形が進むと股関節の動きも制限され、靴下をはいたり和式トイレが困難になります。
初期には立ち上がり、歩き初めに足の付け根に痛みが生じ、歩いていると楽になります。
徐々に進行すると歩行時や動作中に痛みが強くなり、靴下履きや足の爪切り、正座や和式トイレなどが困難になります。
末期になると足の付け根が伸びなくなり、膝頭が外を向くようになります。また、左右の足の長さも変わってきます。
~何でなるの?~
原因は先天性股関節脱臼の後遺症や臼蓋形成不全、外傷などが報告されています。
はじめに関節の軟骨がすり減り始め、徐々に骨の変形が起こります
遺伝性もあり、ご家族に先天性股関節脱臼や股関節の病気がある方は臼蓋形成不全の可能性があります。
~どんな検査をするの?~
あぐらをかくような姿勢で痛みが出るか調べます。股関節以外の坐骨神経痛や仙腸関節炎などのほかの病気の可能性がないか鑑別していきます。
続いて、レントゲンで変形の具合を調べます。足の長さや臼蓋形成不全がないかなどもレントゲンで調べることができます。
必要に応じてMRI検査で詳細を調べるときもあります。特に変形が少ないときはMRIで調べることで他の病気との鑑別に役立つことがあります。
~どうやったらなおるの?~
痛みをとるには今の痛みをとることと、今後の変形を起こさないようにすることの二つが重要になります。
今の痛みをとるためには痛み止めやシップなどを使います。それでも痛みがとれずに日常生活に支障がある場合は手術が必要になります。
手術は変形した場所を人工の股関節にする人工股関節置換術や自分の骨を残したまま、軟骨が亡くなってしまった所に体重がかからないようにする骨切り術があります。
今後の変形を進行させないようにするためには股関節の周りの筋力を鍛えて歩く時の体重が股関節ではなく筋肉で支えられるようにします。
両足をゴムでくくって足を広げるようにする運動や横を向いた姿勢から足を上げる運動などでお尻の筋肉を鍛えます。
ポイントは体重をかけずに筋肉を鍛えることです。筋肉を鍛えるためによく歩くようにしたとゆう方がいらっしゃいますが、歩くとその分体重が股関節にかかってしまいます。
歩くことは全身運動としてとても大切なことですが、股関節の痛みがありながら歩きすぎると痛みが強くなりますので、まずは歩けるだけの筋力を鍛えることが必要です。
変形性股関節症は徐々に進行していくためリハビリを途中でやめてしまったり、運動をあきらめてしまうと将来、歩けなくなって車いす生活になってしまいます。
適切な運動が必要であることと同時に適切な時期に手術を行うことも大事です。
手術を嫌がって歩けなくなってしまうと認知症が進んだり、引きこもりにつながってしまいますので今後の治療方針については何度も相談しながらじっくり考えていくことが大切です。
また、続けられる運動・体操は人によって違いますので、リハビリを通じて話し合いながら治療を進めていければと思っています。
それでは、また来週。