上腕骨近位端骨折
- 2022年10月12日
- 上腕骨近位端骨折
皆さんこんにちは。
今回は肩の骨折です。病名としては上腕骨近位部骨折といいます。
上腕骨は肘から肩にかけての骨で近位部は体に近い部分とゆう意味があります。
この骨折は折れ方や年齢などによって治療方針が違います。
なぜ治療方針が変わってくるのかを中心に説明したいと思います。
~症状~
転倒したり、ぶつけたりすることで肩に衝撃が加わったときに骨折します。上腕骨の肩の部分が折れることで肩が上がらなくなり、強い痛みが出ます。内出血のため青あざが広範囲に起こります。あざは重力により肘のほうへ移動することがあります。
今までの経験上、脱臼と間違えてその場で治そうとされた患者さんもいました。脱臼か骨折かの判断ははっきりしないこともありますので必ずレントゲンで判断してから処置するべきだと思います。
~折れ方と年齢~
高齢者の場合は骨粗鬆症で骨がもろくなっている状態があります。肩の筋肉が少ない女性に多く起こります。70歳の女性がその後10年間にこの骨折を起こすリスクは5~7%と報告されています。
若い人の場合は交通事故などの強い衝撃を受けたときに起こります。また、筋肉に引っ張られて骨が剥がれるような折れ方をすることもあります。
折れ方は細かな分類に分けられて手術が必要かどうか、どのような手術をするのかなどの研究が多くされており大まかな指針があります。
簡単に分けるとずれがあるかどうかとバラバラ具合によって方針が決まります。
脱臼を伴うこともあり、このような場合は早急に手術を要することもあります。
~診断方法~
レントゲンで折れ方を確認します。手術が必要な場合は方針決定のためにCTの検査を追加で行います。レントゲンで骨折が分かりにくい場合はMRIを取ることがあります。
MRIでは折れているかどうか、筋肉やほかの損傷がないかがよくわかりますが、骨の折れ方は分かりずらいです。CTでは骨の形がよくわかりますので、どのような折れ方をしているか見るときはCTを取ります。
~治療~
まず予防方法としては転んでもおれない骨を作ることが重要です。
骨粗鬆症がないか骨密度や採血で定期的に検査し、必要な骨粗鬆症に対する治療を行っておくことが大切です。
また、転倒しないようにバランス感覚や足腰の筋力を保っておくことが必要です。
もし、転倒し方が腫れた場合は自分で判断するのではなく必ず整形外科で診断してもらいましょう。脱臼と間違えてしまったり、放置して腫れが強くなると手術の難易度が上がってしまうことがあります。
ずれの少ない骨折では三角巾などで固定し、必要なタイミングで動かすためのリハビリを開始します。このリハビリのタイミングが重要で遅れてしまうと最終的な動きに影響を及ぼすことがあります。
手術が必要な場合は骨の外側からプレートで固定したり、骨の中に芯棒を入れるような手術を行います。骨がバラバラになってしまっていたり、脱臼を伴っている場合は人工の関節にする必要があります。
どのような手術でもそのあとのリハビリのよって最終的な動きがどこまでできるようになるか変わってきます。
当院では手術しない場合はもちろん、手術した場合のリハビリも対応しています。
リハビリでの治療は少しずつ根気強く行っていくことで確実に改善していきます。
わからないことはなんでもお答えしますのでs、困ったことがあれば当院にお越しください。
それではまた来週。