変形性膝関節症について
- 2022年5月18日
- 変形性膝関節症
皆さんこんにちは。
ついに5月17日に開院しました。初日は電子カルテや機器に手間取ってしまい、お待たせした方々には申し訳なく思っております。
みんなで改善点を話し合い、ストレスのないクリニックになれるよう考えていこうと思います。
このブログも開院初となります。
今回は自分が勤務医時代に診察することが多かったひざの話をしたいと思います。
ひざに悩みを抱えている人は多いですね。
スポーツをしている人や年齢とともに痛みが出てきた人など老若男女にかかわらず、悩みの種になることがあります。
歩くことはいくつになっても必要なことなので少しでもわからないことが解決できれば幸いです。
スポーツをしていてひざを痛めた経験があったり、太りすぎた時期がありひざに負担がかかってしまうと、徐々に変形してしまいます。
変形がおこると立ち上がりや、歩きはじめに痛みがでます。しかしながら、初期の段階では休めば痛みがとれます。
それが、さらに変形が進むと正座や階段が困難となり、歩くことがつらくなってきます。
変形が末期になると、ひざをピンと伸ばすことができず歩行が困難となります。こうなると日常生活がかなり不自由となり、いろいろな場面で助けが必要となることが出てきます。
このような経過をたどるのが変形性膝関節症とゆう状態です。
~変形性膝関節症はなぜおこるのか~
半月板がすり減り、軟骨もすり減ることで変形が進みます。
ではなぜ半月板や軟骨はすり減るのでしょうか?
その原因は「若いときに膝をケガして半月板を痛めた」や「肥満や膝周囲の筋力が弱いため膝にかかる負担が大きい」や「歩き方・筋肉のつき方により膝に負担がかかってる」などがあります。
そして、半月板と軟骨は一度傷つくと再生することがない消耗品です。
傷ついた所が剥がれて関節の中で動くといわゆる『関節ネズミ』とよばれ痛みの原因になります。また、すり減った時には一時的に炎症を起こして痛みが出ます。
炎症が起こると関節液を作っている滑膜が増殖し、関節液を作りすぎちゃいます。そうなると『水がたまる』とゆう状態になります。
~MRIはとったほうがいいの~
膝の変形が一番わかりやすいのは立った状態でのレントゲン撮影です。
変形の程度や進行具合はレントゲンを定期的にとることで比較ができ、どこがすり減っているのかがわかります。
また、診察で動きや不安定性、痛みの詳細な部位を診断しています。
変形が軽度なのに痛みが強かったり、変形以外の原因が考えられるときなMRIで精密検査する必要があります。
また、リウマチやばい菌感染などの可能性があるときは採血や関節液の検査をします。
~予防するには~
ひざの負担を減らすことが重要です。
・ふともも(大腿四頭筋)の筋肉を強化してひざの関節の中ににかかる負担を減らす。
・正座や和式トイレを避け、椅子を使う。
・急に痛むときは冷やすが、普段は温めて血行を良くする。
・筋力にあった体重にコントロールする。
このようにひざにやさしい生活を心がけ、ふとももの筋力強化を意識しましょう。
~治療はなにがあるの~
痛みをとるためにはシップや痛み止めを飲むと楽になります。
しかしながら、痛み止めは一時的ですのでこれだけでは変形の進行は進む一方です。
ふとももの筋力を強化し、歩き方を改善したり、負担を減らす動作を覚えることが進行を抑える治療になると思います。
その方法はリハビリテーションです。理学療法士と共に運動の仕方や歩行訓練を行い、関節の動きを改善することが重要です。
関節内の炎症を抑えるためには、関節の中にヒアルロン酸の注射を定期的に打つことも推奨されています。
それでも痛みで困る場合は手術になります。
手術には骨を切って角度を変える骨切り術や人工の関節に置き換える人工関節置換術があります。
自分も長年このような手術をしていましたが、手術しても筋力が弱かったりリハビリがうまく進まないと結局悩みは改善しないこともあります。
人工関節の手術をしたのに悩みが解決しない患者さんたちをみてリハビリの重要性に気づかされたことが、リハビリに力をいれたクリニックを開業しようと思ったきっかけになっています。
これからもますます勉強して変形をくい止めるようなリハビリを研究していきたいと思います。
長くなっちゃいましたね。これからもかいと整形外科リハビリクリニックをよろしくお願いします。