腰椎椎間板ヘルニア
- 2022年5月11日
- 腰椎椎間板ヘルニア
皆さんこんにちは。
第2回は腰のヘルニアについてのお話です。
腰のヘルニアとは「腰椎椎間板ヘルニア」という病名があります。
どんな病気なのかがわかるように書いてみますね。
~どうなるの?~
腰椎椎間板ヘルニアでは腰やお尻あたりが痛くなり、お尻から太もも・ふくらはぎ・足先にかけてしびれや痛みが出現します。足に力が入りにくくなったりもします。痛みから逃れようとして背骨が横に曲がったり、動きにくくなります。重いものを持ったりすると痛みが強くなることもあります。
~何が起こってるの?~
椎間板は背骨と背骨の間にあり、クッションの役割をしています。
その一部が飛び出してきて炎症を起こします。出てきた椎間板が直接神経を圧迫したり、炎症が波及して周囲が腫れることで神経を圧迫します。
圧迫された神経が支配している部分に痛みが出現します。
~何でなるの?~
椎間板に圧力が加わって断裂を起こすことで本来の場所から飛び出します。
加齢や悪い姿勢での動作、スポーツでの繰り返す圧力のため椎間板が変性し、弱くなります。
弱くなった椎間板の状態を巷では「ヘルニア持ち」と言われたりしています。
この状態で重いものを持つような急な圧力や車の運転で持続的に同じ場所に圧力が加わることで椎間板が飛び出します。
~どんな検査をするの?~
腰椎椎間板ヘルニアに特徴的なのは前かがみで痛みが増悪することです。
前かがみの状態になると椎間板に力が加わるからです。
診察室では横になって膝を伸ばしたまま足を上げ痛みが出るか調べます。
また、細かな足の筋力や感覚を調べます。
画像検査ではまずレントゲン検査で骨の形や椎間板の隙間の状態をみます。椎間板の隙間が狭いときは椎間板ヘルニアを疑います。
次にMRIでの精密検査をします。当院にはMRI検査ができないので合志病院などでMRI検査をして頂きます。
~何で最初からMRI検査しないの?~
MRI検査は悪いところを細かくみるにはすごくいいです。
しかしながら、背骨が曲がっているとか骨盤が歪んでいるといった全体的な評価はMRIではわかりません。
MRIでヘルニアがみつかっても、実際には痛みの原因が背骨の形が悪く、背骨の形を整えることが治療に有効な場合もあります。
また、ヘルニアによるお尻の痛みと思っていたら、レントゲンを撮ってみると股関節が悪かった。といったこともあります。
そのためにはレントゲンでの評価でおおまかにどこが悪いのかを調べ、その結果をもとにどこのMRIをとるのか判断しています。
~どうやったらなおるの?~
痛みが強い時期には、腰の安静が重要です。腰の安静とはコルセットをつけて、前かがみの動作をしないことです。
また、炎症が波及して痛みが出ているときは炎症を抑える効果のある消炎鎮痛薬(ロキソニンなど)や神経の痛みによく効く薬(リリカ・タリージェなど)を使います。
薬でも痛みの調整がつかない場合はブロック注射をします。
ブロック注射にはお尻から注射するものと腰からするものがあります。
激痛が取れてきたが、痛みは続いているときはリハビリを開始します。
リハビリで椎間板に負担のかからないような動きや周囲の筋力を和らげることで痛みを改善します。痛みで変な動きをしているとほかの所まで痛みが出てくることがあるのでリハビリはとても大事です。
足の筋力が低下したり、痛みが改善しないときは手術をお勧めすることがあります。
手術が必要となったときは近所や希望の場所に紹介状を書いて、当院でのデータをすべてお渡ししますので、気兼ねなく相談してください。
腰のヘルニアは長引くし、繰り返すし辛いですよね。
今まで診察してきて、薬や注射・手術などで治療してきましたが、繰り返さないためには姿勢を改善して、股関節や背中の動きをよくすることが重要と感じています。
椎間板に負担をかけないような筋肉のしなやかさ、関節の柔らかさを身に着けるためリハビリが一番重要なのではないかと思い、理学療法士と共に勉強を続けていこうと思います。
~追伸~
あと一週間で開院日とせまってきました。模擬診察や接遇研修など皆で知恵を出し合いながら万全の準備をしています。日々、忙しなくあっとゆう間に過ぎていきますね。みなさまの期待にこたえられるように信頼されるクリニックを目指してがんばります!